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垣花樋川について
垣花樋川(かきのはなひーじゃー)は綺麗な水が湧き出る泉、溜め池です。
全国各地の清澄な水が流れる河川などに与えれられる称号「名水百選」の1つで、
かつては飲み水、水浴び、洗濯、農水などの役割を果たしていました。
現在では飲料用等、地域の簡易水道として、あるいは農業用水として利用されています。
ルートは何箇所かあり簡単ではない道もありますが、森林に囲まれた道中に石畳やかつての休み場所が残っていたりと樋川以外にも楽しめる味わい深い場所になっています。
かつてはワナガーやシチャンカーと呼ばれていましたが、名水百選に登録されるにあたり「垣花樋川」として名称登録されました。
沖縄ではヤギのこともひーじゃーと言います。
用途
水源から水を引いてきてプールのように溜め池を作り、下流へ流していくのが樋川のシステムです。
そこは人々の溜まり場になり、子供の遊び場になります。
主な用途は水浴び、飲料水、野菜洗い、洗濯、農水など、他にも多くの役割を担っています。
その中でも垣花樋川は全国名水百選にも選ばれた綺麗な水の流れる樋川になります。
名水百選とは
垣花樋川は1985年・昭和60年、環境庁(現・環境省)から「名水百選」に選定されました。
日本で最南端の名水百選です。
名水百選とは
https://www.env.go.jp/water/meisui/
全国の清澄な水を再発見し、尊さを知る。私たちの水環境を守りたい。
環境省(当時環境庁)では、全国に多くの形態で存在する清澄な水について、その再発見に努め、広く国民にそれらを紹介し、啓蒙普及を図るとともに、このことを通じ国民の水質保全への認識を深め、併せて優良な水環境を積極的に保護すること等今後の水質保全行政の進展に資することを目的に昭和60年3月、全国各地100ヵ所の湧水や河川を「名水百選」として選定しました。
また、平成20年には、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、地域の生活に溶け込んでいる清澄な水や水環境のなかで、特に、地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているものを、昭和60年選定の「名水百選」に加え、「平成の名水百選」として選定し、併せて200選となりました。
なお、「名水百選」も「平成の名水百選」も飲用に適することを保証するものではありませんので、飲用に供さる場合は、所在の自治体にご確認下さい。
ルート1
上流側からのアプローチ。石畳の下り坂を150m降ります。
これを沖縄の方言で「カービラ」と言いったりします(カー:川、ビラ:坂道)
入り口は民家の間を抜けていきます。少し行くと琉球石灰岩に囲まれた通路に入ります。
そこを抜けると林の中に入ります。林といっても熱帯林である沖縄の木々はたくましいので鬱蒼とした森の中のようにも感じます。
石畳で整備されていて風情が残ります。しかし石のすり減りもあり滑りやっすくなっています。時期によっては苔が繁殖するようなので注意が必要です。
道の途中にはかつての休憩場所の石が二箇所に残っています。
ナカユクイイシ(中休み石)、イーユクイイシヌヒライサー(上休み石の平石)と言い、
女性が利用していたようです。
パワースポット
沖縄では精神的に重要な場所には必ず大きな湧き水が存在しています。
綺麗な水の湧き出る垣花樋川はパワースポットになりえる場所です。
近くには斎場御嶽、玉城城が存在し、すぐそこの海の向こうには神の島「久高島」が存在しています。
いずれも沖縄では重要なパワースポットです。
垣花樋川が存在する南城市は沖縄開闢伝説の舞台になっている場所で、琉球王府にも重要視されていた場所です。
王府の聖地巡拝「東御廻り(あがりうまーい)」は南城市中心に行われました。
でもそのような理屈的なことは置いておき、単純に自然や水音から感じる癒し効果は誰にでも実感あるものと思います。
イナグンガー
垣花樋川は大きく分けて三つで構成されています
その一つがイナグンガーと言い、沖縄の方言で「女の川」という意味になります。
その名の通り女性専用の水場であり、
一番高い場所に位置し他の場所から見えにくい構造になっています。
イキガンガー
イキガンカーは「男の川」という意味になり、男性専用の水場になります。
イキガンガーの右横には拝所が設けてあります。
ンマミシガー(馬浴川)
イナグンガーとイキガンカーから流れ落ちた水が溜まる一番低い水溜めをンマミシガーといいます。
ンマミシガーは馬浴用の水場という意味になります。
これら三つをまとめてシチャンカー(下の川)と言います。
ということは垣花樋川とは湧水元から樋(とい)を伝ってシチャンカーを通過し、農業用へと流れるまでの全体のことを指すのでしょうか。
集落の下に位置することから垣花樋川をシチャンカー(下の川)という説もあります。
ベンチ
木陰のベンチに座って樋川を眺めることができます。
そこに座り水の音を聞いていると時間の感覚がゆっくりに変わっていくようです。
背後には南城市の海が見渡せます。
天気がいい日にはより鮮やかな沖縄の海を見ることができます。
神の島「久高島」が見えると聞いたりしますが、どうでしょう。アドチ島はすぐそこに見えます。
ルート2
山の中腹からのアプローチ
石畳の坂道とは違って勾配のない開けた通路になっています。
クレソンやオクラの畑を見ることができるようです。
樋川から流れてきた水路を流れる水を見ながら歩いていけて、畑越しにオーシャンビューが望めます。
(駐車場あり)
樋川から農地への水路
集落と猫
垣花樋川ルート3
下流からのアプローチになります。
国道331にある下田のバス停(南城市玉城仲村渠)近くにある上りの階段を利用します。
現在は
現在、馬を洗ったり洗濯したりはしませんが、
飲めるほど綺麗な水なので地域の簡易水道として生活用、農業用として利用されています。
水質検査が定期的にあったり清掃活動などが実施されていています。
アマミキヨ浪漫の会
アマミキヨ浪漫の会:南城市観光協会公認の南城市ガイド団体
プランの一つの樋川コースに「垣花樋川」があります。
仲村渠樋川をスタートし、クレソン畑を抜けて垣花樋川で一休み、石畳の坂を登って垣花集落に入り、垣花城跡へ。
垣花樋川の近くにある「仲村渠(なかんだかり)樋川」は国の重要文化財に指定されたものです。
駐車場、入場料
アクセス方法は三つ
上流からの降り口と、中流の入り口、下流からの昇り口があります。
・ルート1の石田畳の坂道(カービラ)入り口には3〜4台の駐車スペースがあります。(垣花公民館近く)
・ルート2の石畳遊歩道への入り口には5〜6台の駐車スペースがあります。マップ
・ルート3の国道331下田バス停は近くに停めらる場所はなさそうです。
入場料は無料です。
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